それは電子書籍なのか印刷物の電子アーカイブなのか
今現在、世間一般でよく言われる「電子書籍」って、なんだか「印刷物の電子アーカイブ」の話をしているように思えてならない。
ちなみに、この業界で仕事をし始めてまず最初に感じたことが、
へぇ、これが一般的な「電子書籍」になるんだ、
っていうことだったし。
思い出してみると、かくいう自分がちょっと昔「電子書籍」にイメージしてたものって、なんというか、「電子な(発想をした)書籍」みたいなものだった。
しかし、今、巷の電子書籍関連の情報に触れるに、コンテンツの中身への言及が意外なほど少ないように見受けられるのだ。結局のところ、自炊の公式版、みたいな。
また、その「印刷物の電子アーカイブ」の品質についても割りと疑問。
ここんところ仕事柄各社電子書籍ビューアでコミック、文字モノ問わずいろいろ触れてみてるけど、ほとんどのコンテンツにおいてのコンテンツそのものの質ってものが、これが申し訳ないけど自炊レベル(自炊者によってその質は変わるけど)とそう大差ないように感じられて仕方がない。
そもそも、自分にとっての「電子書籍」っていう言葉が醸しだす妄想傾向としては、例えば、
登場人物が多い小説を読んでいて「あれ? この人どういう人だっけ?」って思った時、画面上の人物名を選択すると、簡単な説明が表示されたり、初登場のページに飛べたりとか、できたら良いな。
とか、
小説の中で特定の音楽が流れる描写があった時、その音楽名を選択すると楽曲が実際に流れたらテンション上がるな。
とか。
とにかく、今のままだと「電子書籍」って言葉に夢が無いよね、ってことが言いたい。